『北方謙三★水滸伝(全19巻完結+読本)★ 集英社文庫』はセカイモンで93829b64から出品され、372の入札を集めて01月16日 8時 44分に、5950円で落札されました。即決価格は5950円でした。決済方法はに対応。静岡県からの発送料は落札者が負担しました。PRオプションはストア、取りナビ(ベータ版)を利用したオークション、即買でした。
北方謙三★水滸伝(全19巻完結+読本)★ 集英社文庫
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「水滸伝1 曙光の章」 2008年 5月 文庫12刷
「水滸伝2 替天の章」 2006年11月 文庫2刷
「水滸伝3 輪舞の章」 2006年12月 文庫初版
「水滸伝4 道蛇の章」 2008年10月 文庫12刷
「水滸伝5 玄武の章」 2008年12月 文庫12刷
「水滸伝6 風塵の章」 2007年 3月 文庫初版
「水滸伝7 烈火の章」 2007年 4月 文庫初版
「水滸伝8 青龍の章」 2007年 5月 文庫初版
「水滸伝9 嵐翠の章」 2007年 6月 文庫初版
「水滸伝10 濁流の章」 2007年 8月 文庫2刷
「水滸伝11 天地の章」 2008年 4月 文庫5刷
「水滸伝12 炳乎の章」 2008年 4月 文庫4刷
「水滸伝13 白虎の章」 2008年12月 文庫6刷
「水滸伝14 爪牙の章」 2007年11月 文庫初版
「水滸伝15 折戟の章」 2008年 5月 文庫5刷
「水滸伝16 馳驟の章」 2008年 1月 文庫初版
「水滸伝17 朱雀の章」 2008年 2月 文庫初版
「水滸伝18 乾坤の章」 2008年 3月 文庫初版
「水滸伝19 旌旗の章」 2008年 8月 文庫2刷
「替天行道 北方水滸伝読本」 2008年 5月 文庫3刷
定価 各巻 600円+税 388頁~397頁
<1> 禁軍(皇帝軍)は、高求に支配され、役人は腐敗しきっていた。そんな軍の武術師範の中で王進や、淋沖は浮き上がった存在だった。無実の罪で罪人にされる。淋沖は、実は宗江に心酔しそんな世の中を変えようとしていた。腐敗した世に反抗し、梁山泊に籠もる英雄談がここに始まる。
<2> 宗江の指示で、安道全を連れて牢から逃げ出した淋沖は、梁山湖の中にある山塞にもぐりこむ。元は世直しの志を持って集まったが今では、堕落した頭領・王倫の元、盗賊同然の集団になっていた。ここを世直しの本拠地にするために内側から切り崩す。一方、宗江の盟友となった晃蓋は、宰相に贈られる巨額の賄賂を奪い、梁山湖に逃げ込む。ここについに梁山泊が本拠となる。
<3> これだけ登場人物が多くなると話を覚えるのも大変だが、冒頭にこれまでのあらすじが載せられていて、安心して読める。傷心の武松、生粋の軍人から反乱軍に入った楊志など、梁山泊の外で活躍する人物が描かれる。対する影の組織・青蓮寺も梁山泊の全体像に迫る。宗江は、妾の嫉妬から事件に巻き込まれ、同志をつなぐ旅にでる。今までばらばらだった、英雄達の繋がりが自然にまとまる。
<4> 宋江に愛娘を殺されたと思い込んだ馬桂は、青蓮寺の密偵になり、恐るべき謀略を進めて行く。一方、宋江は、自らの眼で民の実情を見るために、命を懸けて旅を続けていた。
<5> 諸国を巡る宋江の居場所が発覚した。青蓮寺が率いる官軍2万が宋江を囲む。初めての本格的な梁山泊と官軍の戦いになる。無事官軍の囲みを破って脱出する宋江。また北で行方不明になっていた魯智深も無事救出される。しかし一方では、梁山泊の外で兵を集めていた楊志が、青蓮寺に謀略・暗殺される。水滸伝の中の主役の一人でもある楊志が、この早い段階で殺されるというのは衝撃だ。元の本でもこの後はたいした活躍の記述がないとは言え、主役の一人だけにこの早い段階での死は思い切ったものだ。
<6> 楊志が暗殺された梁山泊であったが、その穴を埋めるように組織は充実して行った。各地の砦が連絡するようになり、官軍とも対等に戦えるようになる。一方宗江はいまだに、少人数の供を連れて各地をめぐる。そんな宗江暗殺の動きと、参謀の伍用を暗殺しようとする動きが活発化する。青蓮寺も、危機に遭い新たに動きが活発化する。
<7> 国内の実情を探るために、少人数で旅をする宗江の所在が青連寺に知れ、大軍に囲まれる。武松等4人の従者と岩山にこもる宋江を1万数千の官軍が囲む。陶宗旺が組んだ石積で敵を近づけないが、ついに火攻めがおこる。梁山泊からの援軍は間に合うのか?ついに、宋江も梁山泊に入る。一方少崋山に籠もる淋沖も敵の中を突破し、梁山泊に合流する。これまでは、それでもまだ原作に対して遠慮や気負いもあったのだろうが、ついに登場人物が生き生きと自由に動き出してきたような気がする。原作では宋江が梁山泊に合流してからはとたんに面白くなくなるのだが、逆に著者の筆は奔放に動き出してきたような気がする。
<8> 原作にもある祝家荘との戦い。梁山泊・二竜山・双頭山を頂点とする三角形の真ん中に、官軍が軍事拠点を作る。それが祝家荘、梁山泊群を分断するためにそこに1万の官軍を入れ、荘内・外に罠を作る。梁山泊の軍勢はすべて合わせてもまだ1万5千。官軍は荘内だけでも1万、周りから動員された人数を合わせれば、10万を超える。しかし、祝家荘を残すことはできない。初めての梁山泊と官軍の全面対決。祝家荘にこもる祝3兄弟と、盟約を交わしている雇家荘、李家荘をどう分断し、猟師の解珍・解宝父子が内部に潜入しどう戦うのか?梁山泊の初めての総力戦。
<9> 妻の生存の噂に決戦を前に陣を抜けた淋沖は、罠に懸かり瀕死の重傷を負う。致死軍や仲間の援助で、九死に一生を得る。しかし罰として厩係りとしてしばらく過ごすことになる。一方、梁山泊は人材を求めて地方軍で、不満を持つものたちを探す。武松やリキは、それぞれの個性を活かし、地方に潜む。
<10> 力をつけつつある梁山泊に対して、ついに地方軍の切り札・呼延灼将軍に出撃命令を出す。宋の帝の治世に必ずしも賛同はしていないが呼延灼は、1度だけなら必ず勝利を約し梁山泊と対戦する。一方梁山泊も官軍のあり方に不満を持っている者に、接触して引き入れようとしていた。もちろん呼延灼にも接触していた。そのうちに、ついに陣を組んでの全面的な対決に入る。呼延灼の指揮に率いられた官軍は、梁山泊軍を打ち破る。初めての全面対決での敗北だった。しかし、呼延灼を帝の使者への報告で追い出した後の高求は、2度目の勝利と栄光を求めて軍を進め敗北を喫す。官軍に見切りをつけた呼延灼や、その仲間たちがまた仲間に加わる。ここまで読んでやっと半分。まだ先は長いと思う一方で、まだまだこの世界が楽しめるという期待も続く。
<11> 梁山泊も力をつけてきたが、官軍も次第に引き締まってきた。力をつけてきた梁山泊の中でひとつの問題が沸き起こってきた。二人の頭領、宋江と晁蓋の間で意見が対立していたのだ、晁蓋は今すぐにでも宋に打って出ようというのに対して宋江は、もう少し兵が集まるまでまとうというのだ。晁蓋はとりあえず少数の兵を連れ双頭山まで出てくる。しかし、青蓮寺は暗殺の魔手を伸ばしていた。刺客・史文恭は梁山泊軍に潜入し、静かにその時を待っていた。
<12> 梁山泊の棟梁の一人・晁蓋を暗殺で亡くし悲嘆にくれる面々だが、宋江も新に道を踏み出す。国のあり方や方についての著者の思いも語られるが、物語は、塩の道を作り梁山泊の経済的柱の蘆俊義がついに捉えられ拷問に掛けられる。蘆俊義を救うため燕青は、飛流軍とともに救出に向かい、決死の行動は成功する。宋江は北京大名府に残された闇の塩の道の痕跡を回収すべく、老残朴全軍を挙げて出動する。雄州の関勝将軍派は命じられた行動を取り、梁山泊を撤退させるが心は、梁山泊に引き寄せられる。
<13> ついに官軍も、地方軍だけでなく禁軍(近衛軍)の一部も動かしてきた。まだ牽制軍だが、梁山泊軍は流花塞(水軍の前線基地)防衛のために本体を向かわせなければならなかった。しかし官軍の狙いは他にあった。梁山泊の重要な砦のひとつ双頭山を落とすことだった。急襲により軍営は焼き払われるが、朱仝の決死の働きで、砦は守られる。一方、流花塞の孔明は、官の造船所の襲撃を計画し、百名の寡兵で潜入を試みる。官との戦いも熾烈を増し、多方面での男の生き様、死に様が描かれる。
<14> 田虎の反乱が、青蓮寺の策略で梁山泊に対抗するものだと見破り、その切り崩しを図る。前回の大きな戦いから大きな戦いはほぼ一年なかったが、ついに官軍は20万の大軍を持って梁山泊に襲い掛かる。全面的な戦いとなると梁山泊軍は、各地で奮戦するものの一箇所当たりでは4・5千名の兵しか確保できないのに比べ、官軍はそれぞれ10倍する軍兵で戦いを挑む。事態を奪回することは出来るのか?
<15> 官軍の攻撃をぎりぎりのところで耐える梁山泊の各軍だが、どのひとつの砦が落ちても全面的な敗北が待っている。そんな時、新しく梁山泊の軍師になった宣賛は、起死回生の策を立てる。まさに奇策、女性軍や傷兵まで投入しての北京大名府占拠であった。敵の裏を書きこれが成功する。驚いた皇帝は、全軍の退去の命令を出す。官軍20万と3ヶ月間闘ってついに追い払ったのだ。しかしその闘いの中で男たちが何人も死んでいった。ともかく官軍と互角に戦ったということで兵も続々と集まり、田虎との戦いも圧倒的な勝利をし新に同士も増えたが、再び官軍と闘うには雌伏のときが必要だ。ここに、宋という大国との戦いも新たな局面に入る。
<16> 官軍との停戦から1年半。表立っての戦いはなく、梁山泊に志願する兵は増え、物資の蓄えも順調だが、裏面では激しい戦いが繰り返されていた。回復の時を稼ぐために候健と戴宗は、偽の講和案を持って皇帝の側近高球に近づく。また兆蓋を殺した暗殺者・史文恭が再び動き出し、柴進らを暗殺する。表立っての戦いはないが、闇に暗躍する戦い。そして公孫勝は青蓮寺の頭・袁明を討ち取るために、青蓮寺に打ち込み、成功する。双方の暗躍が繰り返される1巻。そして、一方、禁軍の最強の軍、童貫が率いる軍がついに動き出す。
<17> ついに官軍は、童貫が率いる最強の軍を出す。梁山泊軍はこれまでにない敵の強さに、苦戦を強いられる。原典では、高救の戦いの前の前座に過ぎない扱いだそうだが、この北方水滸伝では最強の敵の扱いになっている。そういえば、原典では公孫勝は道術を用い敵を粉砕し、戴宗は、神足を用い何百里も一日で駆けることになっているが、公孫勝は”致死軍”という影の部隊を率い暗殺や諜報を行い、戴宗は”飛脚屋”を造り情報伝達の要となるなど、原典を利用しながらリアリティーを出させている。最後の原典ではこの後、”招安”(ポストを用意し、懐柔すること)に応じその後の滅びが描かれるのだが、この後如何まとめ上げるのだろうか?
<18> 緒戦では童貫の軍に痛撃を加えることが出来たが、圧倒的圧力を前に梁山泊軍は押されていた。奇策で一端は童貫軍を引かせる。そんな中、楊氏の息子・楊令(養子)が梁山泊に、楊令が加わる。激しい戦いを前戦闘は初めての若武者・楊令の活躍は。そして、最後の決戦を前に遊撃隊の隊長・淋沖が散る。その後を継ぐのは・・・?
<19> 全19巻完結。長い話、新しい水滸伝がついに完結。童貫は自らが存在をかけた戦いに赴く。梁山泊も宋江自らが出陣して、囮となり戦う。史進と楊令などの騎馬隊は、同感の騎馬隊と互角の戦いを繰り返し、一時は傷つけるところまで切迫するが、物量を前に歩兵部隊はついに梁山湖の前面まで押し込められる。そして、ついに梁山泊に撤退を余儀なくされ、宋江たちは決意を固める。次々と死んでゆく同志たち、そして遺志を継ぎ生き残る者たち。”替天行道”の旗を掲げ、立ち上がった漢達の物語がここに終わる。
<読本> 北方水滸伝で、重要な旗印とされた『替天行道』。それをタイトルにした、北方水滸伝読本。人物辞典や、年表で、全体を確認するもよし。多数の著者のエッセイ、対談でその創作過程を知るもよし。また興味深いのは編集者からの手紙だ。創作の裏話のようで興味深く読んだ。北方水滸伝のひとつの締めくくり。
多数まとめて送る場合はネット検索の上、なるべく料金の安いものを選択します。希望の発送方法がありましたら、ご連絡ください。
個人の蔵書なので、すべて一読はしています。内容等でご質問がある場合も受け付けます。
また、出品希望の本などがあれば優先的に出しますので連絡してください。